仕手株とは
Reviewed by Toushi Komons
仕手株とは
仕手とは、株価が大きく変わるような大量の売買を意図的に行う事を指します。
個人投資家は大きく値上がりする銘柄に注目し、「この銘柄は買いだ」と判断してしまうのです。
そうして個人投資家が買い優勢となった状態で売ることによって大きな利益を得ることができます。
こういった銘柄は『仕手株』と呼ばれ、仕手を行う者を『仕手筋』と呼びます。
もともとは能のシテ方(主役)が語源とされ、相場の中心となって殺到する売買注文をさばく事に由来しています。
また、仕手筋同士で売買注文の応酬が繰り広げられる場合もあり、これを『仕手戦』と呼びます。
仕手株の流れ
仕手株の歴史は古く、米相場の時代から多くの相場師達が記録的な売買を行ってきました。
現在でも仕手筋は相場をコントロールし、個人投資家を巻き込んで株価を派手につりあげています。
仕手筋の手口は実に巧妙で、まずは実績や決算が振るわない低位株に狙いをつけます。
あまり噂が立たない程度に少しずつ銘柄を買っていき、風説の流布や『見せ板』と呼ばれる違法行為を行うなどして株価を上げ始めます。
さらにマスコミや掲示板に情報を流して個人投資家達の注目を集めるのです。
こういった情報に群がって買う投資家達は『提灯』と呼ばれ、こういった流れがさらに株価をあげて過熱状態となります。
仕手筋は利益が確定した段階で早いうちに売り逃げしてしまうので、あとは高値を掴んだ個人投資家達によるババ抜き状態となります。
仕手株はもともと株価に見合った業績や材料がない低位株なので、仕手筋が手を引いてしまえば自然と元の株価に落ち着いていき、最後に高値を掴んだ個人投資家がババを引いてしまう、という結果が残ります。
このように、仕手株はまさに情報戦であり、情報次第では一攫千金か大負けかが大きく分かれる博打とも言えます。
仕手株で儲けるために
信頼できる仕手筋からの情報は、まず普通の手段では入手出来ないと思って良いでしょう。
一度重要な情報が漏れればたちまち噂が広まり、株価のコントロールができなくなるからです。
では個人投資家が仕手株で儲ける側になる事は不可能なのか?
ずばり、投資顧問を利用し対価を支払えば情報は手に入ります。
投資顧問の中には、仕手筋や機関投資家など独自の情報ルートを持っている会社があるのです。
仕手筋としても、有料会員を持つ投資顧問は売買資金を集められるバックボーンとなります。
こうして仕手株ビジネスは成立し、情報に対価を支払う少数の会員が利益を得られる仕組みとなっているのです。